労働者の種類・賃金の決定の仕方・賃金の支給方法など多岐にわたる重要事項ですので、「賃金規程」として別規程で詳細に規定することが望ましいです。
1.賃金の支払い(労働基準法第24条)
賃金の支払いについては、労働基準法では安全かつ確実に労働者に渡るように以下のような5つの原則があります。
| 賃金支払いの5原則 | 例 外 | |
| @ | 通貨で支払わなければならない | 法令・労働協約に別段の定めがある場合。一定の賃金で確実な方法があるもの。 |
| A | 直接労働者に支払わなければならない | 労働者の使者(家族等)に支払うことはよい。 |
| B | 全額を支払わなければならない | 法令に別段の定めがある場合。労使協定がある場合には、賃金の一部を控除してもよい。 |
| C | 毎月1回以上支払わなければならない | 臨時に支払われる賃金。賞与。厚生労働省令で定める賃金。 |
| D | 毎月一定の期日に支払わなければならない | 臨時に支払われる賃金。賞与。厚生労働省令で定める賃金。非常時払。 |
2平均賃金(労働基準法第12条)
平均賃金とは、「算定すべき事由の発生した日以前3ヶ月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額をその期間の総日数で割った金額(1銭未満切捨て)」をいいます。
* 「総日数」=「総暦日数」(「総労働日数」ではありません。)
平均賃金の算定が必要となる場合とは、以下のような場合です。
| 解雇予告手当 | 労働基準法第20条 |
| 休業手当 | 労働基準法第26条 |
| 年次有給休暇中の賃金 | 労働基準法第39条 |
| 災害補償 | 労働基準法第76条、77条、79〜82条 |
| 減給の制裁の制限額 | 労働基準法第91条 |
3.割増賃金(労働基準法第37条)
労働基準法では、「時間外労働・休日労働・深夜業」に対して割増賃金の支払を義務付けることによって、法定労働時間・週休制の原則の維持、過重な労働・深夜の時間帯の労働の強度等に対する労働者への補償を規定しています。
それぞれの労働に対する割増賃金率は、以下のとおりです。
| 時間外労働 | 2割5分以上 |
| 休日労働 | 3割5分以上 |
| 深夜業 | 2割5分以上 |
| 時間外労働+休日労働 | 3割5分以上 |
| 時間外労働+深夜業 | 5割以上 |
| 休日労働+深夜業 | 6割以上 |
なお、割増賃金の計算の基礎の対象となる賃金は、通常の労働時間または労働日の賃金で、諸手当も含まれますが、以下の賃金は割増賃金の計算の基礎からは、除外されます。
| 家族手当 | 通勤手当 | 別居手当 | 子女教育手当 |
| 住宅手当 | 臨時に支払われた賃金 | 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 | |
4.その他の規程 賃金規程と関連のあるその他の規程としては、以下のような規程も考えられますので、人事制度を整えたら別規程として詳細を明確化しておくことも必要となります。
| 人事考課規程 | 人事評価規程 | 昇級・降級規程 |
| 職能資格規程 | 目標管理制度規程 | 賃金控除規程 |
| 賞与支給規程 | 退職金規程 | インセンティブ支給規程 |