1)賞与の支給日在籍要件の取り決め
就業規則等において、賞与の支給対象者を「賞与支給日に在籍する者」とする旨の取り決めは可能である。
| 就業規則等にその旨の取り決めが明記されていれば、支給日前に退職する労働者に対して賞与を支給しないことも可能である。(最高裁判決 S57.10.7) |
2)就業規則等に明記されていない場合
| 賞与の計算における対象期間のうち、その全部または一部を勤務して、賞与支給日前に退職した労働者は、特別の取り決めがない限り、賞与を請求する権利を有する(東京地裁判決 S53.3.22) |
2.割増賃金と住宅手当
1)割増賃金の計算から除外できる賃金(労働基準法第21条)
賃金の名称の如何を問わず実質的に判断される。
| 家族手当と称していても、扶養家族の数に関係なく支給されていれば、除外賃金には該当せず、割増賃金の計算の基礎となる賃金に算入しなければならない。(基発27号 S22.9.13、基発572号 S22.12.26) |
2)「住宅手当」と称していても除外賃金には該当しない場合
| @住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされているもの |
| A住宅以外の要素に応じて定率又は定額で支給することとされているもの |
| B全員に一律に支給することとされているようなもの (基発170号 H11.3.11) |
3)住宅手当の支給基準
| 住宅手当の形態ごとに一律に定額で支給する場合 | 割増賃金の計算の基礎に算入すること |
| 住宅に要する費用に応じて支給する場合 | 割増賃金の計算の基礎に算入しないことができる |
3.時間外労働と命令の限界
1)36協定書の締結・届出
労働者代表者との書面協定+行政官庁への届出
2)時間外労働命令の有効性
@時間外労働義務の根拠の存在
A36協定の存在
* @・A・・・就業規則、労働契約書に明記しておく。
B時間外労働命令が権利の濫用のあたるケース
| 使用者の時間外労働命令の拘束力について @業務上の必要性がない時間外労働命令には、拘束力は認められない A有効な命令であっても、労働者に正当な理由が有れば、時間外労働を強制できない。(東京地裁判決 S53.3.22) |
4.年次有給休暇
1)年次有給休暇の買い上げ
@原則・・・買い上げ予約は禁止(年次有給休暇取得の阻害になる)
A例外・・・「法定の日数を超える部分の買い上げ」「時効により消滅した年休日数に応じて金銭を支給」は、禁止・違法ではない。
2)年次有給休暇に呼び出しを受け労働した場合
労働をした日は「労働日」となり、「労働した時間」について賃金を支払うことになり、「労働していない時間」については「休業手当(平均賃金の6」割以上)」又は通常の賃金を支給したほうがよい。(会社都合により呼び出され労働をしたため)
| 労働をしていない時間 (休業手当or通常の賃金支払い) |
労働した時間(通常の賃金支払い) |