労働基準法とは、使用者が労働者を使用する際の最低限の労働条件を定めたもので、「労働者を保護」するための法律です。
そこで、労働者保護法としての労働基準法第1条では、以下のように制定されています。
| (労働条件の原則・・・人たるに値する生活、最低基準) |
| 労働基準法第1条 |
| 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。 Aこの法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。 |
ここでいう「労働条件の低下」とは、労働基準法の基準を理由に現状の労働条件を低下させることを禁止しており、社会情勢の変動等による決定的な理由での労働条件の変更まで禁止しているものではありません。ただし、労働条件変更の際には、不利益変更の問題も考慮にいれておかなければなりません。
そして、労働基準法は例外もありますが、労働者を使用する企業ではその規模・事業の種類に関係なく、全ての企業に適用される「強行法規」なのです。
今までのことをまとめると、労働基準法の主な特徴としては、以下の3点になります。
| @労働者保護 A労働条件の最低基準の制定 B強行法規 |
2.労働条件の決定等
現実の現場において、使用者が一方的に労働条件を労働者に押し付けてしまうこともしばしばありがちなことですが、労働基準法では労働条件の決定については、以下のようになっています。
| (労働条件の決定・・・労使対等決定) |
| 労働基準法第2条 |
| 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。 A労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。 |
このように労働条件については、「労使対等の立場」で決定するよう要請しています。
この他、労働条件の決定と相まって、次のような規定もあります。
| 均等待遇 | 労働基準法第3条 | 労働者の国籍等、労働とは関係のない事項による不合理な差別待遇の禁止 |
| 男女同一賃金の原則 | 労働基準法第4条 | 賃金について、男女の差別待遇の禁止 |
| 公民権行使の保障 | 労働基準法第7条 | 公民権の行使・公務の執行のための必要時間請求 |
3.前近代的な労働関係の排除
労働基準法では、過去によくみられた労働慣習というような、労働者にとって非常に過酷な労働関係を否定し、「労働者の意思に反して労働を強制してはいけない」としています。
| 強制労働の禁止 | 労働基準法第5条 | 労働者を暴力的手段による強制労働の禁止 |
| 中間搾取の禁止 | 労働基準法第6条 | 他人の就業に関して途中で手数料等の利益を得てはいけない |
| 賠償予定の禁止 | 労働基準法第16条 | 労働契約の不履行について、違約金・損害賠償額の予定をする契約をしてはいけない |
| 前貸金相殺の禁止 | 労働基準法第17条 | 労働することを条件とする、前貸金と賃金との相殺の禁止 |
| 強制貯金の禁止 | 労働基準法第18条 | 労働契約に付随する強制貯金の禁止 |